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Windy Valley

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#001 一陣の風

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傑作ファイル #001 一陣の風 1996/01/01

かなり昔(恐らく20年以上前)の武蔵野線(*1)でのお話しです。 その頃の武蔵野線はまだ冷房というものがなく、夏は窓を明けっ放しにして走っていたそうです。ところが、武蔵野線というのは高架が多くて風がビュウビュウ窓から入ってきて、その威力は結構なものがあったそうです。

さて、そんな武蔵野線のある朝の通勤電車。当然のごとく、皆眠っているわけです。 そこへ一陣の風。ある紳士の鬘(かつら)がふわーと飛んで、向かいのこれまた眠っていた紳士の所へと飛んでいったそうです。ただ、飛んでいっただけなら問題なかったんですが、 着地点がよくなかったんですね。なんと、その寝ている紳士の股間のところに見事に着地してしまったそうです。その寝ている紳士はまだ気が付いてませんが、 回りの乗客が気が付いてクスクスと笑いはじめたそうです。寝ている紳士は回りがどうもクスクスとうるさくなってきたので、どうしたんだろうと目を開けてみたらびっくり、 自分の股間に毛が! その紳士、何を勘違いしたのか、思わずズボンのチャックを下げて、その鬘をズボンの中にしまってしまったそうです。 そうとう気が動転していたんでしょうね。その紳士、しばらくして自分のしたことに気が付いて、いたたまれなくなり、次の駅で降りようとしたそうです。しかし、その当時鬘って結構高価なものだったらしくて、鬘の持ち主の方も持っていかれてはたまりません。「ちょっと待ったー」ということで追いかけて一緒に降りていったそうです。

この話を教えてくれた人のお父さんがこの車両に乗り合わせていたらしいのですが、どうしても結末を知りたくて、遅刻するのをものともせず、一緒に降りて付いていったたそうです。 すばらしい、ジャーナリズム精神(???)ですね。(^^;)え、結末ですか。結局トイレで返してもらっって、一件落着だったそうです。

*1 東京の郊外を府中あたりから浦和、新松戸、幕張付近へと環状に走るJRの路線。



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